「任侠ヘルパー」最終回(11回目)(09/17・フジ木10)を見ました

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「任侠ヘルパー」最終回を見ました。

 9回目。鷲津莞爾(竜雷太)を襲ったりこ(黒木メイサ)を彦一(草彅剛)が押しとどめ、すわ隼会の仲間割れ?となるところ、逆にみなが団結し、さらに鷲津組との連携もとれるというながれ。タイヨウでは莞爾の同室の夏夫さんの「看取り介護」という問題がありました。

 10回目。晶(夏川結衣)が部下の謀反でハートフルバードを追われ、痴呆症を苦にリストカット。彦一が助け「記憶がなくなってもあんたはあんた」と不器用ながら晶を励ますと、晶は涼太(加藤清史郎)を別れた夫・藤堂(陣内孝則)に任せ、自分もケアハウスに入るという、現実と向き合う辛い、でもやらねばならない作業に淡々と取り掛かります。タイヨウは痴呆老人の火の不始末でボヤを起し、業務停止の危機に...

 そして最終回。当ドラマはいい感じで破綻しながら幕を閉じました。

 ある日、タイヨウの玄関に薄汚れた老人満載のマイクロバスが停まります。「介護難民です。面倒をみてください」と経営者を名乗る男(渡辺哲)は、翌日には姿を消していて、彦一と晴菜(仲里依紗)が男の施設を訪ねると、そこは糞尿にまみれた布団や簡易トイレが散乱するひどい状態。
「こんな環境でも入所を望む老人がいるんです...」と晴菜の説明に彦一は眉をひそめます。と、そこに電話。相手は弁護士を名乗り、「○○さんに息子さんの事故の示談金の件で...」と話を始める。要は振り込め詐欺なのだ。
 彦一が「弁護士会に確認するから事務所と名前を」「事故証明を」と食い下がると「てめぇなんだぁ!!」と正体を晒す。つまりは彦一と同業者なわけ。
 で、彦一は糞尿の匂いに耐えかねたのか、老人(=弱いもの)を食いものにする人間の浅ましさに耐えかねたのか、その両方か、よろめくように窓までたどりつき、「ハァハァ...」と肩で荒い息をする。

 このシーンはもしかすると、製作チームの気持ちの表れではなかったか。介護問題に向き合って荒い息を吐いたのは作り手側だったのかもしれない。

 当初、当ドラマは「ちょっと失態があったあのつよぽんが任侠に!」を目玉に、まあ介護のいろいろな問題を取り上げつつそれを極道たちが「仁義のためなら命も惜しまねぇ」という凄みで打開していく、感動のヒューマンドラマを目指していたように見えた。
 が、途中からなんだかすごくハードボイルドな感じになり、この最終回ではある意味社会派になってしまった。
 それはきっと、介護まわりをリサーチするうちに、スタッフが「どうなってんだコレ?」「このままではいかん!」と現実の厳しさにのめり込んでしまった結果のような気がする。だから、最後には彦一は無駄な抵抗と知りつつ、老人たちの居場所だけでも確保するためにタイヨウにバリケードをつくり、機動隊相手に(!)老人を人質にしたという体で立てこもった。
 こんなことをしても何の解決にもならない。でもこのままじゃいけないんだ。制度なんかどうでもいい。目の前の老人を救う、そっからはじめりゃいいだろう、と。
 もうストーリーはどうでもいんじゃねぇ?という感じで、ほとんど散文のようになってしまったが、焦燥感や怒り、もどかしさ、無力感が放り投げられた最終回、私はいいんじゃないかと思った。

 晶と彦一の関係も、ラブシーンと呼べるものはなかったにしろ、その絆が深くつながれたことが伝わってきたし、「頭」になったりこが、任侠道に身をうずめる覚悟を胸に、彦一に無理やりキスをするシーンも、唐突だったが説得力があった。黒木メイサさんは立ち姿のラインが美しいなあ。

 大量の老人を無責任に置き去りに逃げた、渡辺哲さん演じる「姥捨ておやじ」が、彦一に見つかりもみ合いになったとき(剛くんはマジでとび蹴りしてましたが)、「捨てて何が悪い! まず家族が奴らを捨て、国も捨てた。でも捨てましたとは誰も手をあげない。責任逃れするだけだ」と言ったせりふ。
 厚生官僚に彦一が「介護ってなんだ?」「わからん」「答えがないのに制度つくってんのかよ?」「それが我々の仕事だ」という問答の空虚さ。
 涼太が母の病状の悪化に苦しみ泣きそうになるとき、彦一が泣きそうになる自分をいさめるときいつもやるほっぺたぎゅーっを自分でやってこらえようとする厳しさ。

 社会の問題を自分に引き寄せて当事者になるのはしんどいが、現実、社会は誰にとっても地続きなわけで、逃げても逃げきれるもんじゃない。結局ずっと逃げてきた結果が、今の社会の生きづらさになって自分に降りかかってることを思えば、もう逃げても意味ないんじゃないか? このドラマが始まったころは、そんな問題提起をする内容になるとはちっとも思ってなかった。
 いやあ、ドラマ、捨てたもんじゃないです。

B002FER9T4そっと きゅっと/スーパースター★
SMAP
Victor Entertainment =music= 2009-08-26

主題歌は久保田利伸さん作曲。
ジャケットはこれじゃありません。
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