「スマイル」10回目を見ました。「主文。被告人・早川ビトを死刑に処する」でした!
ちなみに死刑の場合、裁判長は主文(死刑か無期懲役かの量刑)を後回しにして言うとよくニュースで解説していますが、規定はなく、裁判官の裁量にゆだねているようです。「死刑」と最初に宣告されると被告が混乱し、判決理由をきちんと聞くことができないからというのが理由として挙げられていたりしますが、確かに「死刑」と聞いたビト(松本潤)の頭の中にも、後悔や怒り、感謝などいろいろな思いが去来していました。
前回、花ちゃん(新垣結衣)の声が戻ったり、花ちゃんが詐欺教団の教祖の娘と検事の北川(甲本雅裕)が暴露し、法廷内がざわめき立ったくだりがありましたが、後の展開にはあまり関係がありませんでした。
花ちゃんの声はまたすぐに出なくなってしまうし(身振り手振りで会話するガッキーがあまりにかわいいからでしょうか)、教祖の娘というのは、裁判員の1人で出版社勤務のキャリアウーマン(櫻井淳子)が「あの事件でどれだけの人が苦しんだか!」と正義感を振りかざすシーンと、一馬(中井貴一)が人間の心にはびこる偏見について語ったシーンで使われただけでした。
裁判員の心は「犯罪を繰り返す人間を社会にのさばらすわけにはいかない!」とか「偏見に負けずに懸命に生きてきた兄ちゃんを信じたい!」とか「前科が冤罪の疑いがあったり、この事件にはわからないことが多すぎる」と、本当にぎりぎりまで揺れていました。
そんな思いを強烈に「死刑」方向へシフトさせたのは林(小栗旬)の母・上倉暁子(キムラ緑子)の証言でした。暁子はまだ小さい頃に林を捨てて逃げ、夫と離婚したのですが、それは夫・林誠一郎 (竜雷太。ゴリさん!)の暴力が理由でした。
誠一郎は警視庁のエリートでありながら、家庭では妻ばかりか子供にまで暴力を振るっていました。暁子は「子供を守らねば!」と思いながら、夫への恐怖に勝てず子供を捨ててしまった。その後悔だけでなく、暁子は、林が亡くなる数日前に電話をもらったことを話します。「用件も聞かず、もうかけてこないで!と切ってしまったけれど、あの時話をしていたら、こんなことにならなかった...」 暁子は涙ながらに語りながら、あるものを提示します。
それは林が子供のときに描いた絵。母親と自分が仲良く手をつないで笑っています。自分が辛いとき、息子が笑顔でこれを渡してくれた...と。
「生前いろいろ悪いことに手を染めたのは確かです。でも...息子を殺してほしくなかった......」 嗚咽する母親の姿に誰よりもヤラレていたのはビトでした。
林さんも自分と同じように生きにくさを抱えてた。弱い自分から抜け出そうと、誰かの救いの手を捜していたのかもしれない。そんな林さんを、どんな理由であれ、殺した。僕が拳銃で殺した...。ビトは独房で夜な夜な、林を撃つ瞬間の夢をみては、うなされて大汗をかいてを繰り返します。
そして迎えた判決の日、ビトは「死刑」をどう受け止めたのでしょう。
冤罪の悔しさはあるでしょう。正当防衛に至った経緯もできるかぎり正しく理解してもらいたいという思いもあるでしょう。でも、林を殺したという事実は、ビトにとって何よりも大きな事実として、のしかかっているのです。
次回、最終回。ビトは「控訴しない」と提案するようですわよ!
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