「アイシテル」5回目を見ました。
智也(嘉数一星)が「ただいま」の挨拶をしなくなったのはいつからだったか...考えたさつき(稲森いずみ)は去年の9月、智也がびしょ濡れで帰った日を思い出します。雨でもないのに。
さつきは当時、ネットの子育て掲示板に夢中で、パソコンを前にしてる時間に癒されていました。智也が帰って現実に引き戻されるのがイヤで、だからその日もつい、「こんなびしょびしょで!悪い子!」と理由も聞かずに叱った。思えばあの日から智也は「ただいま」を言わなくなったんだ。
この話を聞いた葉子(田中美佐子)が調査を進めてみると、意外なことがわかります。
清貴くんの事件のあった橋のたもとにはちょうど去年の夏ごろ、おばあさんのホームレスが住み着いていました。学校や地域から危険人物扱いされていて、智也もおかあさんと「絶対に近寄っちゃだめ」と約束のゆびきりをしていました。
しかし智也はこのおばあさん(大空真弓さんでしたね)と、智也が誤って落として折れてしまったリコーダーをおばあさんが直してくれたことから接近、定期的にブルーシートの家に通い、リコーダーを吹いたり、昆虫の絵を描いたりして過ごしていたそうです。「やさしい子だった」(葉子が会いにいったホームレス談)
しかし、ある日そのホームレスのおばあさんが、智也の横顔を死んだ我が子の面影とダブらせて突然抱きつき、執拗に頬を寄せ「ここで一緒に暮らそう」と懇願したことで智也がびっくり! 必死で逃げだし、おばあさんに抱かれた感触が気持ち悪かったのでしょう、公園の噴水にジャブジャブと入り狂ったように体を洗い清め、トボトボ家に帰ったのです。
「大丈夫?」と声をかけてくれる大人はひとりもいなかったし、家に帰ってやっとお母さんに抱きしめてもらえると思ったら冒頭の扱いです。「悪い子!」......そうか、おかあさんとの約束を破ったし、ホームレスのおばあちゃんに抱きつかれて汚くなった僕は悪い子なんだ。智也はそう思ったのでしょう。
葉子は、智也との面会でホームレスから聞いた話が真実だったことを聞いて愕然とします。「...全部ぼくが悪いんだ」と声を震わせる智也を葉子は「今までひとりで抱えて辛かったね。気づいてあげられなくてごめんね」と抱きしめます。
後日、葉子から智也に起こった出来事を聞いたさつきは自分の不甲斐なさと智也に詫びたい思い、そして抱きしめたいという気持ちで半狂乱になります。「智也!」 叫んでももう遅いのかもしれません。
そんななか、被害者の小沢家も翻弄されています。学校帰りに美帆子(川島海荷)が、さつきが現場に花を手向けているのを見て「これ見よがしに...!」と怒りに震え、警察に頼んで現場の花や供物を撤去してもらっていました。
「みんなが事件のことを忘れても家族の心にはずっときよたんは生き続けるのだから、これでいい」と、一家の絆は深まります。
しかし美帆子は、撤去してもなお花を持参しているさつきを目撃してしまうのです。「やめて! そんなことしても弟は帰ってこない」「清貴くんの?」というやりとりの後、さつきは美帆子に土下座します。これ以外にお詫びのしようがないと思ってのことでしょうが、これではあきらかに遺族の思いを逆撫でします。
「私が殺したようなもの」と額を地面にすりつけるさつきに、美帆子はつい「じゃあ死んで償えばいい!」と言ってしまいます。ショックを受けながらも、さつきの胸にはさらなる「これ見よがし」が浮かんでしまうのです。
聖子(板谷由夏)が「犯人の被害者もこのことをずっと抱え続ける」と言った言葉が気になります。さつきと聖子は犯人の母を被害者の母という正反対の立場に見えて、どちらも「我が子」という自分ではままならない、しかし責任を背負わざるを得ない存在のことで追い詰められています。
産みっぱなしの母親もいなくはありませんが、母子は血を分けた関係性で、なにかあれば「代われるものなら代わりたい」と思う存在なのでしょう。そういう意味では、さつきと同じ苦悩を抱えた聖子の今後に注目してみたいと思います。
![]() | BEAT POPS 忌野清志郎 仲井戸麗市 G2 EMIミュージック・ジャパン 2005-11-23 「アイシテマス」と言ったのは忌野清志郎。 ご冥福をお祈りします。ロックをおしえてくれてありがとうございました。 by G-Tools |
