救急車で亮介(生田斗真)の病院に運ばれた少女・朋子(志田未来)。お腹が痛くて苦しそうだがやがて病状は安定する。両親を亡くし、兄・泰人(石田卓也)と2人仲良く暮らしているように見える朋子だが、不審な点があった。半年前に大腸炎で入院して以来、薬を処方されているはずがちょくちょく入院を繰り返しているのだ。
「ミュンヒハウゼン症候群?」 法医学研究所に久々に舞い込んだ「生きている患者」についての問い合わせに(こういうこともあるらしい)、朋子を診察した玲子さん(矢田亜希子)が回答を出す。この病気は簡単に言うと、仮病で他人の気を引く病。寂しさが引き起こす、現代ならではの症例だ。
真相を探るべく、大己(瑛太)は亮介と朋子の病室に話を聞きに行く。明るくていい子で、仮病とは思えない。バイト先のもんじゃ屋にも話を聞きに行く。勝手に休むこともなく評判がいい。何かおかしい。
検査の結果、血中からペニシリンが検出される。意図的に大腸炎を発症させられた可能性が高い。しかし、年齢を考えると朋子が薬品を入手するのは難しい。では誰が?
俄然怪しくなるのが兄・泰人。薬科大学に通う大学生なのだ。ということは、代理人ミュンヒハウゼン? これは朋子を病気にさせて自分が甲斐甲斐しく世話をする姿で人の気を引こうとするさらにねじれた病気。しかも、妹を病気にさせるって虐待じゃん!
調べていくと、朋子が入院するのは決まって兄のバイトが休みの日だとわかる。さらに、兄の通う大学でペニシリンの不正持ち出しがあったことも判明し、これはもうビンゴでしょう。
しかし、そんな泰人の疑惑を知らない朋子は、大己たちにお兄ちゃんとの楽しい思い出の数々を語るのだ。普通ならお母さんがつくって持たせてくれる学校提出用の雑巾も兄が夜なべしてこさえてくれた(柄がダサかったけど)とかね。
泰人のもとには児童福祉士が来る。そして「虐待の疑いあり」と説明すると素直に疑惑を認めた。そして朋子は児童相談所が一時保護することになる。
しかし、大己は釈然としなかった。何かひっかかる。よくよく考えてみると......そうか!パジャマだ。
朋子が病院に運ばれるのは決まって夜中だった。でも朋子は必ず普段着で、パジャマを着ていなかった。つまり、兄がやってることに気づいていながら、気づかぬふりをしてたってこと。バイトも欠勤なしだったのは、兄の休みの日に自分が必ず具合が悪くなることを知ってて、シフトを調整してたからだったんだ。
泰人がこんなことをはじめたのはほんの偶然だった。あるとき、朋子が本当に具合がわるくなって病院に駆け込むと、待合室で不安げに待っていた泰人の肩に「あなた頑張ってるわね」とナースが手をおいてくれたのだ。
小さい頃から「いいお兄ちゃん」を演じてきた泰人だが、自分だってどうしていいか不安で、いつもいっぱいいっぱいだったのだ。だからそのときの看護婦さんの慰めの言葉にすごく救われ、それがいつしかクセになっていた。朋子を病気にさせて病院に行けば、「いいお兄ちゃん」として褒められ、それで癒されていたのだ。う~む。
泰人が反省していることから刑事処分は見送りになった。朋子は施設に、泰人も朋子と離れ、治療することになる。ひとりになった朋子は大己に喰ってかかる。「お兄ちゃんには感謝してるの。だから、あのままでよかったのに、なんで余計なことをしたの!」と。大己は「それで誰が幸せになる?」「誰かのためになれるのは、ちゃんと自分のために生きてる人。自分を傷つけてまで支えるのはやさしさじゃない」と優しく答える。
別れの日、泰人は朋子に詫びにくる。「トモコに寄りかかりすぎた」「本当に頼れる兄になりたい」と。去っていく兄の後ろ姿に朋子も「私も強くなる!」と宣言し、微笑みかける。