カメラを手にニワトリ小屋の前で死んだ男・岡原(吹越満)の遺体が研究室に運び込まれる。職業はフリーカメラマン。ニワトリ小屋の前で頭から血を流して倒れていた。クライアントはゴシップ雑誌で、残されたカメラには不倫写真と、なぜか「めん汁」の瓶の写真...。
解剖の結果、死因は肺動脈血栓、いわゆる「エコノミークラス症候群」とわかる。頭の傷は死因とは関係なかった。しかしなんでニワトリ小屋の前で? 大己(瑛太)たちは現場に向かう。アキ(石原さとみ)は「たまたま通りかかったんでしょ」と言うが、大己は何かを撮ろうとしてたんじゃ?という思いを捨てられない。
岡原の検査の結果、ヘビースモーカーで、不摂生からか中性脂肪が高かったことが血栓を起こすきっかけになったことがわかった。あとは髪の毛にソヨゴの葉がついていたことも。
大己は岡原の元妻の朋枝(芳本美代子)が働く、実家のクリーニング屋に話を聞きに行く。「3年前に別れた。ミノルに会いに3ヶ月前に会ったのが最後。再婚を考えてるのでもう会うこともないだろう」と遠くを見る。視線の先には岡原の子、実くんがいた。
「岡原さんの最後の思いを実くんに届けよう」と大己。岡原の事務所に出向く。相棒のカメラマン(六角精児)は岡原について「フィルムにこだわった男。でも、金のためならなんでもやるし、借金もあってヤバいネタにも手を出してた」と語る。
未整理の写真を見るとニワトリ小屋の近くの風景が何度も写っていたのがわかった。そしてスクープ写真に混ざって餃子、りんご、ルービックキューブ...など、謎の写真が何枚もあることも。
何度かニワトリ小屋に通ううち、大己はひよこが誕生しているのに気づく。それから、残された写真に残されていたのが「坂本」という人の家とわかり、岡原の撮影ポイントも探し当てる。そこにはソヨゴの木。岡原がここにいたのは間違いない。
大己は一晩そこで張り込み。「なるほどここでじっとシャッターチャンスを待てばエコノミークラス症候群にもなるってもんだ」と身をもって体験する。と、「そこオレの場所だよ」と見知らぬカメラマンが登場する。
後日、大己は新聞の一面に政治スクープを発見する。でも「これって岡原さんが狙ってた坂本さんの家じゃん!」と気づく。そうか、岡原はこのあいだ現場で会ったカメラマンと交代で、スクープを狙ってたんだ。ずっと座りっぱなしだったからエコノミークラス症候群を発症したのか。
大己は朋枝に、岡原さんがゴシップではなく政治スクープを狙って頑張っていたことを説明する。「そんな高尚なこと考える人じゃない」と朋枝は信じようとしないが、大己は「岡原さんは変わったんです。きっかけは実くんです」と、実から聞いた話を打ち明ける。
3ヶ月前、岡原と最後に会ったとき、実くんは父に「カメラマンになりたい」と言ったのだ。だから岡原は息子に誇れる仕事を残そうと、過酷な張り込みにもめげず、頑張ったのだ。なるほど。
では、なぜニワトリ小屋の前で? それに謎の写真の意味は? 岡原はいきつけの中華屋でいつもはビールとシュウマイを注文するのに、フィルムには餃子の写真があったりしたんだった。
大己はこれも謎解きしていた。岡原は実くんと携帯で写真をやりとりしながら「しりとり」をしたのだ。実の「うなぎ」に応えるため、岡原は「ぎょうざ」を撮ったのだった。そして「めんつゆ」→「ゆうひ」ときて、岡原は「ひよこ」で応えたくて、ニワトリ小屋の前でシャッターチャンスを待つうちに亡くなったのだ。
大己は実くんを連れて研究室へ。そこには大きくプリントされた岡原の写真が壁一面に貼られていた。岡原はフィルムに心をこめ、息子に伝えたかったものを撮っていたのだ。写真を見つめながら「お父さん、死んでどこ行っちゃったの?」と実くん。大己は「どこにも行ってない。実くんがお父さんを思うとき、そこに来てくれるよ」と優しく微笑む。「でも、あんまり思い出すといったりきたりが大変だよ」と。泣かす。