キイナ(菅野美穂)の同僚の桜(小池栄子)は売れっ子占い師の星宮麗香(南野陽子)に夢中。「親友の美和子(黒坂真美)が麗香の占いで結婚するの~」と盛り上がってる。
桜が占いに行くというのでキイナも「行く行く!」とついていくと、ちょうどテレビの公開撮影中。麗香は聴衆を前に「私は人生のすべてを見ることができる」と言い、「試しに...」とキイナを指名する。壇上に上がったキイナが名前と生年月日を言っただけで麗香は「あなたは恋愛で悩んでる。別れた恋人が忘れられない」と。キイナは真一郎(塚地武雅)のことを的中させられた!と大興奮だ。
さて、桜の占いが始まる。恭しくタロットカードを取り出した麗香は1枚のカードに息を飲む。「死のカード...」 曰く、桜の身近に死が迫っていると。そして「白いウエディングドレスが見える」と。桜は咄嗟に「美和子だ!」と思い立つ。「いきましょう!」と麗香の号令で家に行ってみると、美和子はマンションのリビングで死んでいた。床にはワイングラスが転がり、テーブルには二人分のご馳走、側には美和子が着るはずだったドレスが飾られていた。
鑑識の結果、毒物による中毒死と判明。自殺も疑われたが桜は「そんなことする子じゃない」と否定する。「幸せいっぱいだったのに...」と。
捜査の過程で、死亡推定時刻の前に目撃された男の存在が浮上する。それは美和子の婚約者・須藤(前川泰之)。警察は早速須藤を任意同行し、取り調べをはじめる。須藤は「誕生日でマンションに行った。20時に取引先からトラブルの連絡があり、乾杯もせず向かった」と言うが、3ヶ月前に加入したばかりの保険金が怪しい。受取人は須藤で、須藤の会社は経営が悪化していたからだ。
捜査が進む中、キイナには腑に落ちないことがあった。「どうして麗香は美和子さんの死がわかったんだろう?」 そりゃ占い師だからってことなんだろうが、確かにおかしいのである。
キイナは麗香の元へいき、率直な質問。「美和子さんの死が近づいているのがどんなふうに見えました? 犯人も見えますか?」 麗香は「では」と占いはじめる。タロットカードから、犯人は男で私欲のために美和子を殺したと読む麗香。キイナが「どんな男?」とつっこむと麗香は「今日はここまで」と占いを終了させてしまう。
大人しく帰るキイナだが、帰り際「そうだ!」と質問を追加する。「美和子さんの部屋には以前も? 部屋の場所を知ってたみたいだから」 そう、事件の日、美和子の部屋に真っ先に走ったのは麗香だったのだ。しかし麗香は「はじめて行ったわ。でも美和子さんの部屋だと感じたの」と視線を泳がせる。
そんな中、キイナは食堂で真一郎とばったり。「占いはなぜ当たるの?」とキイナが問うと、真一郎は「科学的な根拠はない」と言う。「でも人が占いを信じる理由はわかります」と話しはじめる。曰く、人間の記憶はあいまいで、印象強いことだけ覚えていて、10のうち3つしかあたらなくても大事なことが1つ当たれば外れた7つは忘れる、と。
「なるほど~」キイナは真一郎の話で大いに腑に落ちる。で、あれこれと推理をめぐらしてたので、真一郎が「別れを切り出したのは嫌いになったからじゃない」と大事なことを言ってるのに聞いちゃいない。もったいない。が、そうだ!とキイナはひらめく。「奇跡は人の手によるものだったんだ!」と。そして得意の速読でトリックを暴く。
キイナは同僚たちの前で麗香の占いを再現する。御手洗管理官(草刈正雄)相手にタロット占い。カードを1枚引かせて、それを見ずにカードの特徴(刀4本)、カードの意味すること(疲れているので休息が必要)と、占ってみせる。はたしてカードはキイナの予言通りで、御手洗は「確かに疲れてるな。大当たり」とびっくり。
しかしタネは簡単。カードは全部同じだったのだ。それに、「疲れていて休息が必要」とか「昔の恋が忘れられない」というのは、大抵の人がそう。だからほとんど当たる。ありえそうだけど、すぐには真偽がわからないことを言ってるだけで、奇跡には説明がつくのだ。
しかし。麗香が言ったことでひとつだけ説明ができない。それは美和子の死が見えたことだ。なぜわかったのか? それは麗香が死を知っていた。つまり犯人だからだ!とキイナは結論づける。しかし、動機がわからない...。
「動機、動機...」と考えるキイナはあることに思い至る。それは現場に転がったワイングラスの色が青だったこと。「そうか!」 美和子を殺す動機はなくて当然だったのだ。
ある夜、須藤は何者かに襲われそうになる。と、そこへキイナが登場。「麗香さん、いえ、井上和子さん。あなたが殺したかったのは須藤さんですね」と。麗香は妹をバイク事故で亡くした。そのとき、運転してたのが須藤。つまり、妹の元カレだったのだ。麗香は客の美和子から結婚の話を聞き、写真を見せられたとき、妹を死に追いやった男が幸せそうに笑っている姿に怒りを覚え、殺害を決意したのだった。
事件前、麗香は美和子の家にお祝いのワインを届け、そのとき、グラスに毒を塗った。青と赤のペアのグラスの青い方。麗香は「須藤が使うだろう」と思いこんでいた。だが、ひょんなことから美和子はその青いグラスに口を付け死んでしまった。麗香が桜の占いをしている振りをして「美和子の死」を予言し、現場に駆けつけたのは、自分が事前に現場に残した指紋をカムフラージュするためだったのだ。
「あなたの幸せが許せなかった」とすべてを白状し、自分ののど元に刃物を突き立て自殺しようとする麗香。しかしキイナが「黄色いガーベラ!」と叫ぶと刃物を落とす。「月命日に妹さんの好きなガーベラをお墓に供えていたのは須藤さんだったんです」とキイナ。須藤も罪を背負ってきたのだから、あなたも美和子さんの死を背負ってください、と。
事件解決。桜はキイナに礼を言う。「真実がわかって美和子も喜んでいるわ」と。