風のガーデン 第11回(最終回) 2008/12/18放送分 

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 東京の妙子(伊藤蘭)の元に貞美(中井貴一)から手紙が届く。内容はつい最近、娘のルイ(黒木メイサ)が風のガーデンで結婚式を挙げ、ウェディングドレスを着たルイと腕を組んでバージンロードを歩いた。実はすべてルイと父・貞三(緒形拳)の仕組んだ茶番で、自分はそれに気づいて調子を合わせながらも、最終的には本当に感動して涙が出た。幸せだったということ。そして、「今までありがとう」という礼だ。

 貞美はいよいよ最期の時を迎えるべく、富良野の実家に戻ってくる。荷物はまったくない。トレーラーハウスは「嘘の結婚式につき合ってくれたお礼」として修(平野勇樹)にあげてしまった。修は最初遠慮したものの「よし、デコトラにするぞ!」と大喜び。

 さて。「おかえり」とルイに促され家に入る。目に入るもの、感じる匂いや建具の感触も、すべてが懐かしい。

 リビングで貞美は、母が趣味で作った押し花のコレクションに見とれる。ガーデンに咲いた花々を母がひとつひとつ仕上げたものだ。「カンパニュラはあるか?」と貞美はルイに問う。家に来る道すがら、街頭のテレビで茜(平原綾香)の歌う姿を見かけ、思い出したのだ。

 そして、貞美はルイに「もう芝居は終わりだ」と、結婚式がルイの配慮だったことも、ルイが自分の病気を知っていることもわかっていると告げる。そして闘病が始まる。

 貞美からの手紙に居ても立っても居られず、妙子が富良野を尋ねる。貞三とふたり、喫茶店で話をする。「貞美先生に会わせていただけないでしょうか。看病のお手伝いをしたい」と言う妙子。しかし貞三は「ありがたい申し出だが」と断る。「最期だけは家族だけで闘いたいのです」と。

 貞美は麻薬が欠かせない状態で、1日ベッドで朦朧としているが、目を覚ますと今まで離れていた時間を取り戻すように必死で貞三やルイ相手に話をする。痛みが増しているというのにジョークも飛ばす。

 ある日貞美は、貞三に子どもの頃の思い出を話す。自分の部屋にテレビが欲しいとダダをこねて、初めて自室に籠もってテレビを見たときのことだ。うれしいはずがちっとも楽しくなく、そればかりか無性に寂しくなって泣いてしまったという。「あれが家族を拒否した初めての日だった」とふり返る。

「でも家族っていいものですね」と、ルイや岳(神木隆之介)に再会し、言葉を交わし、つないだ手のぬくもりがどんなにうれしかったかを語る貞美。

 貞三はそんな大事な家族に自分が闘う姿を見せてやりなさい、と貞美を激励する。病と闘う姿を見せることがルイと岳の父親として貞美がしてやれる最後の仕事だと。

 貞美は言う。「父さんは死後の世界はあると思いますか? 僕はあるような気がする。向こうに行けたら父さんとルイ、岳に何かサインを送ります」と。

 そして、ガーデンの結婚式から1ヶ月も経たないある日、貞美の命が絶える。

 富良野一帯を雪が覆う。貞三はエリカ(石田エリ)の理容室へ行き髪を洗ってもらう。「そういえば、生前葬の話は聞いてますか? 貞ちゃんが帰ってきて、同級生でお祝いがわりに生前葬やったんです。大うけしてくれたけど、ガンのことを後で知ってみんな落ち込んじゃって」「いや、貞美は冗談が好きですからうれしかったはずですよ...それより結婚式はバレてましたね」「やっぱり(笑)」「しかし、息子が親より先に死ぬなんで悪い冗談ですよ......」

 ルイは貞美からの頼み事のため、雪の札幌にいた。静かなカフェに現れたのは茜だった。クリスマスコンサートで札幌に来ていたのだ。ルイが貞美の娘と名乗ると、「先生はいまどちらに?」と茜。「父は亡くなりました」と聞いて茜は愕然とする。そしてルイは茜に、祖母が作ったカンパニュラの押し花を差し出す。「父から頼まれました」と。

 茜はその夜、貞美からの贈り物を胸に抱きながら、自分の歌声を聞きに来たお客たちの前で「カンパニュラの恋」を歌う。その歌声は貞美に届いたのだろうか...。

 春! 大地を覆っていた雪が溶ける頃、ルイと岳が風のガーデンに行くと、愛犬ほたるに似た子犬が二人を誘うように森の中から現れた。岳が追うと子犬は楽しそうにどんどん森の奥へ。と、視界が開けた先にエゾエンゴサクの青い可憐な花が! そう、貞美がトレーラーハウスの周りにこつこつ植えていた球根が花を咲かせたのだ。

 貞美が「死後の世界があったら送るよ」と言ってたサイン。それがほたる似の子犬とこの青い花畑だったのだ。

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中井貴一, 黒木メイサ


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