風のガーデン 第7回 2008/11/20放送分 

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 息子・岳(神木隆之介)との演奏を楽しんでいたところを、娘・ルイ(黒木メイサ)に意図せず見られてしまった貞美(中井貴一)は、「調子に乗りすぎてまた罪を犯しました。ルイさんに謝っておいてください」と言い残して森の中に去っていく。

 普段は礼儀正しいルイが不躾にも挨拶もせずに逃げ出したことも、大天使ガブリエルが去ってしまったことも、わけがわからない岳は「ルイがガブさんを怒らせた」とがっかり。天使とはもう会えないと思うと、戻ってきたルイについ当たってしまう。

 トレイラーで闘病を続ける貞美は知人からの干渉を避けるために携帯電話を替える。街に出たついでに小玉理容院に寄り、エリカ(石田えり)に自分宛の荷物を気付で受け取ってもらうよう頼む。

「おやすいごよう!」と胸を張るエリカは、貞美にひとつ提案をする。それは同級生との再会。「あいつら張り切っていろいろ趣向を凝らすわよ」とエリカにいわれ、貞美はちょっと楽しみになる。

 家の整理や職場への挨拶のため、一時的に東京へ帰ってきた貞美は、自宅に妙子(伊藤蘭)を呼び出す。部屋は段ボールだらけで、荷物もあらかた整理されたところに妙子が現れると、貞美は薬の宛先(エリカの住所)やら退職金の振込先やら、「死んだら父親に渡してくれ」と手紙を預ける。

「やめてよ...」と涙を流す妙子に「面倒ばかりかけたが感謝している」と礼をいう貞美。「おかしな話があってさ」と話題を切り替えて話しはじめたのは、富良野で岳やルイと対面できたこと。「娘には逃げられたが、息子はどういうわけか俺を天使と思いこんでる。岳のピアノでチェロも弾いたんだ。あんなに幸せな時間はなかった...」と微笑むその顔は幸せに満ちていた。

 貞美がトレイラーに戻るとルイが訪ねてきた。実は留守の間に一度、修(平野勇樹)を用心棒にして(なんせ熊が出るからさ)、この場所をつきとめてたのだ。

 トレイラーを指して「入っていい?」とルイ。しかし中を見れば自分の病状が知れると危惧した貞美は「その辺を歩こう」とルイを散歩に誘う。

 久々の対面にぎくしゃくしていた親子だが、「父さんを恨んでるか?」という言葉にルイが「時々恨めしくなった。でも...時々...すごく会いたくなった」と涙を流すと、貞美の心はとけてしまう。「ありがとう」 それだけ言うのが精一杯なくらい幸せ。

 あっという間にうち解けてしまった父娘は、川辺のけものみちを歩きながらいろんな話をする。ルイはよさこい祭の時に会いに行けなかったことを詫びる。「あの日は大切な人との最後の夜だったの。...結局会えなかったけど」と。「いい人だったのか?」と父が問うと「いい人だった。でも18歳上で妻子持ち」と娘。普通なら父親は驚くとこだろうが、「父さんの血、ひいちゃった」「困ったな」「うん、困った」と会話が続くあたり、なかなか。

 貞美は「岳にはしばらく天使ってことにする」「オヤジは俺を許さないだろうな」と自分の決意を確かめるように話す。ルイは「花が咲いている間はいてほしい」と言う。貞美にはうれしい言葉だが、「11月になったら来年のために花を刈るの」と聞くと、そのときに自分がいないことが改めて寂しく感じられるのだった。

 貞三(緒形拳)の診ていたおじいちゃんが希望通り自宅で、家族に囲まれながら亡くなった。看護師の女性に「お疲れがでませんように」とねぎらいの言葉をかけられ、家路に着こうというとき、貞三は思わぬ事実を知ることになる。

 葬儀準備のためその家に来ていた花屋も葬儀屋も貞美の同級生だったのだが、この二人が「聞いたか?大先生(貞美のこと)帰ってるんだってな」「聞いた聞いた。今度歓迎会しようってエリカた言ってた」と話しているのを聞いてしまうのだ。そうか、息子が富良野に帰っているのか...自分に連絡もなく...。

 家に帰った貞三はルイに「おじいちゃん、旅立たれました」と報告し、「あの...」と言葉を続けようとして途中で止める。もちろん貞美の帰還をルイに知らせようとしたのだが、自分でもどうすればいいかわからないのだろう。

 その頃、トレイラー暮らしの貞美は久しぶりに幸福感に包まれ床に着いていた。ルイとの会話やルイが浮かべた笑顔が頭に蘇っていたのだ。

4652079400風のガーデン―SCENARIO2008
倉本 聰
理論社 2008-09

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