14年前。横須賀。洋食屋のアリアケには普通の日常風景が展開していた。
父・有明幸博(寺島進)の自慢のハヤシライスは「百年の味」が売り文句。末っ子のシズナ(熊田聖亜)は嬉しそうに食べているが、「今日はカレー」と言われて楽しみにしてた次男坊・タイスケ(嘉数一星)はご機嫌斜めで「店が7年目なのに詐欺だよぉ」と唇をとんがらかす。と、母・塔子(りょう)は「これから百年続けりゃ詐欺にならないよ!」と笑い飛ばす。そんな風景をお兄ちゃんのコウイチ(齋藤隆成)が楽しそうに眺めている。が、仲良し家族の見本のような有明一家にこの日悲劇が襲う。
コウイチは親に内緒で友だちとしし座流星群を見に行こうとしてた。集合は夜中。タイスケが口を滑らせ計画がバレると、幸博も塔子も「流れ星見なくて死んだやつはいない。ダメだ!」と譲らない。しかも夜になってから雨が降ってきてしまう。
しかし諦められないコウイチは一人でも行く!と夜中にベッドから起き出す。階下に靴を取りに降り、幸博に見つかりそうになるがなんとか誤魔化した。で、目を覚ましたタイスケとシズナも一緒にどしゃ降りの雨のなか待ち合わせの丘の上に向う。着いてみると誰も来ていなかった。でも雨は止んでいた。「やった!明日自慢できるぞ」とコウイチは大喜び。そしてシズナが待ち飽きて寝てしまう頃、やっと流れ星を見ることができた。
流れ星を見れたのはよかったが、「母ちゃん起きてたら怒られるだろうな」と憂鬱な気持で家路につくコウイチとタイスケとコウイチの背中で寝息を立てるシズナ。しかし母ちゃんは怒らなかった。というか怒ってほしくても叶わなかった。なぜなら幸博も塔子も店の奥の茶の間で血まみれになって殺されていたから...一体誰が? なぜ?
14年後の吉祥寺。猫背で暗い顔をした有明功一(二宮和也)が勤め先のカレー屋ジョージクルーニーで鍋を掻き混ぜていた。カウンターにはバイトをサボってカレーを食べてる泰輔(錦戸亮)。功一の「バイト行けよ!」という小言に「保護者かよ!」と言い返す泰輔だが「そうだよ」とマジ顔で返され渋々バイトに出かける。
泰輔がバイトするビデオ屋トミーリージョージには今日も静奈(戸田恵梨香)が顔を出し、一緒に家に帰る。静奈はその日、高山(桐谷健太)という上司から異常な枚数のポストイットをデスクやパソコン、服や顔に貼り付けられて「辞めてやる!」と商社を退職してしまったのだ。「それにやりたいことも見つかったし」と静奈。
数日後、泰輔は街中でコンドームのキャンギャルをする静奈を見かけ「一大事!」と功一を呼び出す。功一がよくよく話を聞くと、静奈は街で「エステティシャンにならない?」と呼び止められ、その怪しいトークを信じて30万!を支払ったという。「...騙されたな。詐欺に遭ったんだ」と資格商法のことを説明する功一だが静奈は「どうしてそんないじわる言うの?」とふくれっ面。しかし、送られてきたDVDがエステに関係のない内容とわかると「解約するっ!」と電話をかけるが、電話は当然通じない...どうしたらいい?
静奈は泰輔と知恵を絞り合い、騙された通りの方法で他人を騙して30万円を取り返そうとするが失敗...しかも悪事を功一に知られてまた説教か...と思いきや、功一はもっと巧妙な詐欺のシナリオを用意していた。
功一はまず静奈を騙した張本人を探し出し、その女が金をホストに貢いでいることを探りだした。そのうえで、ホストから女の貢いだ金を取り返す計画を練っていたのだ。簡単に言うとホストの理想の女の子を調べ上げ、それに似たタイプの女の子を静奈に演じさせホストを静奈に惚れさせ、ころあいで金を騙し取るという方法。これは劇中劇「カナダからの手紙」として放映される。
てな調子で、軽~いノリで犯罪に手を染め始める有明兄妹。兄妹には共通の思いがあった。それは「犯人を自分たちで探し出してぶっ殺す」という物騒なものだが、普段の彼らにはそんな思いを抱えている気配はない。ごく普通に友だちと笑い、美味しいものを食べ歩き、ゲームを楽しんでいる。この世界観は宮藤官九郎っぽい。
そんな兄妹に、14年前から事件を担当している柏原(三浦友和)という刑事が近づいてくる。泰輔と静奈の居所は掴めなかったようだが、功一のカレー屋を突き止め、食べにくるのだ。伝えたい用件は事件が間もなく時効を迎えるということだった。
背広にリュック姿でハヤシライスにこだわる要潤や、普通の人なのに正体が掴みきれないカレー屋の店長・尾美としのり、柏原の相棒刑事だが後に意外な事実が判明するバナナマン・設楽統など、目の離せないキャラクターに満ちております。
東野圭吾原作、クドカン脚本、主題歌は嵐のポップチューンという時点でもう予想がつかないことになるのは必至。楽しみです。