コード・ブルー 第11回(最終回) 2008/09/11放送分 

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 高速道路で玉突き事故。トンネル内での出来事で全貌がつかめないなか、藍沢(山下智久)は三井(りょう)、冴島(比嘉愛未)と治療に入る。片っ端からけが人を診察してはトリアージタッグ(5話にも登場した治療の緊急度を色で示すための札)を付けていく。

 ヘリは緊急度の高い赤タッグの患者を病院に運び、すぐに白石(新垣結衣)と緋山(戸田恵梨香)を現場に運んだ。病院では森本(勝村政信)、藤川(浅利陽介)、センター長・田所(児玉清)も処置や手術で大わらわ。黒田(柳葉敏郎)は右手の機能を失ったとはいえ経験豊かな大事な存在。あれこれと的確な指示を出している。

 トンネルに入った藍沢と冴島は腕を骨折した若い女性の助けを耳にする。駆け寄ると「私じゃないの!」と女性が指さした先に、トラックと下敷きになったバイクに挟まって身動きができない男性がいた。女性の彼氏だった。しかも男は胸にフロントバイザーが刺さっている。レスキューを呼んでトラックの下から出したいところだが、脈も弱く、「ここでやる!」と藍沢は胸に溜まった血液を抜き出す処置を始める。

 緋山は腹腔内出血の疑いの女性・澤野良江の処置にあたる。レッドタグの危険な状態にもかかわらず、「息子が!主人が!」と心配ばかり。息子は無事とわかったが、夫は見つからない。ヘリに乗ってからも良江は「結婚記念日だったのに、主人を怒鳴ってしまって...」とこのまま会えないかもしれない不安を、切れ切れの呼吸の合間も緋山に伝え続ける。

 と、良江の脈が急に弱まる。ショック状態から心嚢内に血液が溜まり心肺機能が低下したのだ。緋山から症状の報告を受けた黒田が心嚢穿刺で血液を吸い出すよう指示を出すが、緋山は研修時代に1度、エコーなどが整った環境でやっただけ。ヘリの上で補助機材がない状態は初めてだ。しかし「やるしかないですね」と覚悟を決める。

 気流が安定しないなか、注射針を心臓に向かって突き立てていく緋山。一歩間違えば良江は死んでしまう緊張のなか、緋山はそれを成し遂げる! 良江は意識が戻っても夫を気遣っていたが、緋山の「今は自分の体のことだけ考えて。ご主人は私が必ず探し出す」という言葉に落ち着きを取り戻す。

 トラックの下での処置を続ける藍沢。開胸して胸の出血点を探すがみつからず、心臓を直にマッサージする。しかし脈は戻らない。そして藍沢は男性の大動脈狭部の断絶を発見する。「これじゃ助けられない...」 無力感に襲われながら、次の患者を探す藍沢。

 予想以上のけが人の数に用意していた輸血用血液が底をついた。現場からの報告をうけた黒田たちが暗澹たる思いに覆われたそのとき、「オレに行かせてください!」と藤川が声を上げる。決意に満ちたその表情に黒田は首をタテに振る。初めてのヘリ、初めての現場...藤川は気圧された様子もなく、自信をもって処置にあたる。

 良江を病院に搬送して現場に戻った緋山は、夫である澤野さんを探す。良江から預かっていた携帯電話から「お父さん」をリダイアルすると電話口に出たのは白石だった。「なんで?」緋山が問うと、「今診ている患者さんの携帯が鳴ったから」と白石。緋山はトンネル内の現場に急ぐ。

 澤野さんは息子さんを探して歩くうち、トラックから崩れ落ちたコンテナの下敷きになって身動きが取れずにいた。大腿部の骨折で出血があり、白石が処置をしている。そこに駆けつけた緋山と、他の処置が終わった藍沢、三井、藤川が集まる。

 緋山が骨折の処置をしながら、家族を心配する澤野さんに「奥さんも息子さんも無事」と告げ、一同和やかな雰囲気になるが、レスキューからの警告が伝えられる。「事故車のガソリンが漏れ出し、いつ引火してもおかしくない。安全が確認できるまで退去を」

 苦渋の選択に三井が「仕方ない」と立ち上がり、緋山と藤川が後に続こうとしたが、白石が声を上げる。「安全確認が済んでここに戻ってきたとき、私たちにやるべきことが残っているのでしょうか!?」

 これに藍沢が行動を起こす。レスキューに「あと何分でコンテナが撤去できますか?」と聞き、「10分」との返答をもらうと「10分だけ頑張ってみよう」と提案し、すぐ処置に入るのだ。三井も他のフェローも納得。なんとか助けたい!と気持ちがひとつになる。

 しかしすぐに澤野の意識が混濁する。見ると頸部に打撲のあとがあり、どうやらそこに血栓ができ脳に血流が流れなくなっているようだ。藍沢は頸部を切開し患部を発見。三井が黒田に電話で指示を受けようと提案するが、藍沢はそれを待たずとも方法がわかっていた。点滴用チューブを人工血管代わりに使い、患部をバイパスして血流を復活させるのだ。応急処置の方針を呟く藍沢の声を電話口でとらえた黒田は「その通り!」と頼もしげ。

 処置は無事成功。澤野さんを乗せたストレッチャーを押したフェローたちがトンネルの外に姿を見せる。周囲は大喜びだが、フェローは厳しい表情を崩さない。

 澤野をヘリで搬送する藍沢と白石。藍沢は白石に病院に待機しているスタッフへの報告を任せる。澤野の病状をひととおり報告したあと、白石は付け加える。「ドクターたちも全員無事です」 この報告に誰より深い安堵のため息をついたのは黒田だった。

 藤川は自分を応援してくれている母親に「初めてヘリに乗った」と電話をかける。しかしそれは喜びの報告ではなかった。「助けられなかったことしか思い出せない...」「そうかい。大変だったね」という母の言葉に藤川は涙が止まらない。

 藤川ばかりでなくフェローたちもみな、同じ思いだった。「6人」という死者の数が頭から離れないのだ。

 入院していた黒田の息子・健一くんが退院する。自分が父親であることを黙ったままの黒田は物陰から見送ろうとしていたが、健一が駆け寄ってきた。「お父さん!」 黒田びっくり。「バスケの試合見に来てね!」「......ああ」 健一がタクシーに乗り込むと付き添っていた妻が黒田に近づき「話しちゃったの。ごめん」と。「体に気を付けて」「おまえたちもな」「ありがとう」 この会話だけで黒田の積年の苦悩が氷解していく。

 日報を書いている白石に黒田が声をかける。「気に病むのはやめろ。おまえが辞めてもオレの腕は戻らない。誰よりも多くヘリに乗れ!」 ぶっきらぼうだが心のこもった黒田の言葉に白石は深く頭を下げる。

 そして藍沢。屋上にたたずむ黒田と言葉を交わす。「名医は何か? 答えは見つかったか?」「いえ...」「だったら明日もヘリに乗れ」 そう、答えは現場にあるのだから。しかし、藍沢はまだ迷っていた。「医師は患者の命を少しだけのばすだけなのでは?」 これに黒田はきっぱり「そうだ」と答える。「しかし、その1年、10分で人生の意味が変わることもある」と。そして藍沢に向き直る。「腕を切ったのがおまえでよかった。おかげでオレは息子に会えた!」 その晴れ晴れとした表情に藍沢の迷いも少しだけ消えた...のだろうか。

 医者としての迷いを一段階乗り越えた白石と藍沢がエレベーターで一緒になる。事故をふり返り、藍沢が訊ねる。「昨日の現場でおまえ、何か感じたか?」「うん。人の生きたいという鼓動の熱さを感じた」「オレも」「私はあの熱をずっと感じられる医者でありたい」と微笑む白石に藍沢も微笑み返す。

 藍沢は祖母・絹江のもとに。まだ日差しが強いので、と散歩用のパープルの帽子をプレゼントしにきたのだ。と、緊急呼び出しがかかり、藍沢はふり返ることなくヘリに走る。絹江はその後ろ姿を頼もしそうに見送っている。藍沢の思いが少しずつ、ばあちゃんに通じはじめたのかもしれない。

 年明けには特別版が用意されているそうで、こちらも楽しみです!

4594057543コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命
(脚本)林 宏司
扶桑社 2008-09-12

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