藍沢(山下智久)は黒田(柳葉敏郎)から「退院係」を命じられる。ドクターヘリで患者を収容するためにはベッドの空きがなければならないので、患者の状態を見極めて適切なタイミングで退院させるのも大切な仕事。でもま、「追い出す」わけですけど。
白石(新垣結衣)は宮本というめまいと貧血を訴える見るからに顔色の悪い男を担当する。聴診器を当てようとシャツを取らせると胸や腹にあちこち手術痕が...一体何の病気ですか?と問うていると宮本は突然吐血する。
黒田に呼び出しを受けていた藤川(浅利陽介)は「いよいよヘリか!」と張り切っている。一方、前回の失敗(妊婦と頭を打った少年のとき)以来ヘリに乗る機会を失った緋山(戸田恵梨香)は「信頼を失った...」と凹んでいる。
とそこに、散歩中に倒れた老人が救急車で搬送され心配停止状態に。黒田を筆頭にAEDを使った緊急処置が施されているその瞬間、患者の手首がハラリとストレッチャーから落ち、藤川はあろうことかそれに触って倒れてしまう。腕利きの医師がそろっているので藤川の心拍は戻ったが「とりあえず入院」。せっかく藍沢が空きベッドを増やそうとしてるのになんと間の悪い、そして間の抜けた...。
藤川の処置中にヘリ要請が出た。黒田の指示で緋山が三井(りょう)と飛んだ先はレジャー客で賑わう河原。仲間と遊びに来た大学生・飯田が浅い川に飛び込み頭を強く打ったのだ。意識ははっきりしているものの心配が残る。
案の定、脳外科・西条(杉本哲太)の診察で頚椎の損傷が見つかり、首から下、全ての麻痺が後遺症として残ると診断される。緋山は患者や家族への説明を任されるが、「助かってよかったな~」と仲間の激励が飛び交う病室を前に「麻痺」の宣告ができずにいる。
そんななか、藍沢は院内でおばさんに呼び止められる。聞けばおばさんは藤川の母で、息子の仕事ぶりが心配でこっそり見に来たという。タイムリーな入院を知って慌てるが、それを知らせた冴島(比嘉愛未)の名札を見るや「息子にいつもよくしてくれて~」と大げさに手を握り頭を下げる。おまけに藍沢には「息子はフェローの中で一番の信頼があるって本当ですか?」と。どうやら藤川、親に嘘八百を吹き込んでるらしい。藍沢も「ご自分で聞いてください」と返すしかない。
さて白石の担当する宮本は検査を重ねても何の異常も見つからない。しかし吐血したり痙攣の発作が起こったり...一体? とにかく検査を重ねるしかない、ってことで藤川の隣のベッドに入院することになる。さらにベッドが埋まってしまって山ぴーがっかり。
藤川のベッドに黒田がやってくる。「せっかく信頼してもらったのにミスしてすみません!もうヘリに乗れますから」と前のめりにアピールする藤川だが、黒田はばっさり突き放す。「おまえをヘリに乗せるつもりはない。ここにいてもムダだ。他の病院に移れ」...それだけ言って去っていく黒田。そして、病室の入り口には藤川の母が...息子が「使えない」ことを知ってしまったのだ。
落ち込む藤川母の姿に藍沢が歩み寄る。「あの子が誇り。身体が弱かったのにここまで頑張った。医者じゃなくてもあの子が頑張っていればそれでいい」と母。「ご両親は?」と藍沢に尋ねると、藍沢は早くに両親を亡くし、祖母に育てられたことを告白する。
その頃、緋山はようやく飯田家に「四肢麻痺」を告げる。母親は泣き崩れ、患者は呆然とする。しかし、現実は翻らない。先進医療とて万能ではないのだ。
退院の準備をする藤川。ベッドに置いていた本が床に落ち、それを拾おうとかがみ込むと宮本のベッドの裏側に薬の瓶が貼り付けられているのを見つける。と、そこに黒田と白石が現れ、宮本のベッドを捜索。藤川が発見した薬瓶を取り上げて宮本に突きつける。実は宮本はミュンヒハウゼン症候群=ほら吹き患者だったのだ。
宮本は会う人会う人に妻子を亡くし、仕事も失った自分の来し方を滔々と語るくせがあったのだが、これは病気で、寂しさを紛らすために病気を装って他人の関心を自分に引き寄せようとしていたのだ。吐血も事前に用意していた血液をぶちまけただけ、めまいも痙攣も自ら薬物を投与して引き起こしていた症状だった。
黒田や白石が宮本を問いつめようとするが、藤川だけが「知らないうちに薬呑んじゃったんですよね。そういうことありますよ...」とつぶやく。それが宮本には格好の助け船となり、素直に「詐病でした」と認めて病院を出ていく。
任務に復帰した藤川のもとに、センター長・田所(児玉清)がやってくる。「迷惑をかけちゃって...」と頭を下げる藤川に田所は「ミュンヒハウゼンの患者は追いつめると頑なになるが、君のおかげでウソを認めた。お手柄だよ」と褒めてやるのだ。
休憩室で黒田に悪態をつく藤川(もちろん強がり)は、白石や緋山が自分の故郷のお菓子を食べているのを見て母が来たことを知る。「なんで!」と慌てている藤川に藍沢が「ちょっと手伝え」と声をかける。藤川母の息子への愛情に触れ、心動かされた藍沢は藤川の苦手な処置をみっちり教え込む。その様子を満足げな様子で見守る黒田。冷徹に見えた男たちに血が通いはじめていますぞ!
さて、ナースステーションが沸いている。藤川を見つけて「先生、モテモテですね~」と。なんのこと?と思ったらナースたちが見ていたのは病院のご意見箱に入れられた投書。そこには明らかに年輩の人の文字で「藤川先生は立派な先生。ヘリに乗るべきと思います」とあった。そう、母の手紙だ。藤川は涙が止まらない。